キッカケは、本当に、単なる“思いつき”でした。
 北野天満宮さんを、散歩がてらお参りさせていただいていたときのこと。境内には、神のお使いということで、牛がぎょうさん臥せたはるんですが、ふと本殿の欄間のあたりを見上げてみれば、そこに立派な立ち牛が、やはったんですね。向きは逆なんですけれど、それがランボルギーニのエンブレムにそっくりで。そこで、ひらめいた。
 天神さんでスーパーカーのイベントって面白いんとちゃうやろか……。
 北野天満宮さんのあるあたりには、上七軒といって、京都で最も古い花街もありますし、雰囲気もそれなりにあって面白い。なにより、天神さんの敷地内には、右近の馬場といってクルマを並べるのに適した大きなスペースだってある。そこで、ご近所の顔役さんにお願いして、天満宮の禰宜さんにコンタクトを取っていただきまして。そこからは、とんとん拍子に話が進みました。
 昨年はミウラの誕生50周年でしたので、ミウラを中心としたクラシック・ランボルギーニのイベントを開催しましたけれど、やっぱりクルマ好きとしては、ランボルギーニもいいけれど、フェラーリも、ポルシェも、マセラティも、いろいろ見てみたい。そんなわけで、今年からは正式に、懐かしのスーパーカーたちに集まってもらえるようなイベントとしてスタートさせようと思った次第です。
 スーパーカーブームの頃に子供たちを熱狂させたモデルに、できるだけ多く、集まっていただきたいと思っています。何より、ボク自身が、あの頃のピュアな気持ちに立ち戻って、いまいちど、“自分たちのクルマ文化”の根幹を、見つめなおしてみたいと思うのです。
 みなさんも、ぜひ、懐かしのスーパーカーを見ながら、あの頃の熱い気持ちを一緒に思い出してみませんか。
 
自動車趣味ライター 西川淳
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